日本ミツバチの分蜂が最盛期を迎えた。巣箱の設置は家の裏手にあるので、分蜂が始まる10時~午後4時頃までは、気が気ではない。頼みの待ち受けルアー「キンリョウヘン」がいまだマッチ棒程度の大きさで、戦力にならない。
みかねた蜂仲間の「蜂取名人」M氏がキンリョウヘンを貸してくれた。
見事な咲きっぷりである。ものの5~6分で蜂が寄ってきた。ミツバチは分蜂した後、全員集合のため、近くの木の枝や軒下などに一度集合し、蜂球というバレーボール程の大きさなり、その後垂れ下がる。この集合場所次第で捕獲できたりできなかったりするので、蜂球の場所は、ハシゴで届く範囲が重要なのだ。
分蜂しそうな巣箱の前に、人口留まり木を作る。巣を出た蜂群が「こんなところに摑まる場所がある」「渡りに船じゃ」とばかりぶら下がるのを期待して設置する。
昼食を終え、様子を見に行ったらすごいことになっていた。蜂の大群が、押し寄せていて、期待していた留まり木には止まらず、キンリョウヘン周りが、ぶんぶんぶんハチが飛び回る。
やったー今年初めての捕獲だー。とばかり歓喜しながら眺めていたら、一向にマンションの中に入る様子はない。
2時間たっても蜂球のままで、もしかして室内がきにいらなかったのだろうか?それとも別に予約先があるのだろうか?
このままだと、ほかのマンションへ移動する可能性が大きいので、この状態で捕獲を試みた。
半分も捕れなかった。それどころか女王バチ様が網の外側を歩いていて、そっとつまんで捕まえようとしたら、ぷーんと飛んで自分の背中に留まった。これは相当ヤバいと思っていたらすぐ上の柿木に飛んで行った。
すぐに蜂球となったが、大きさが、バレーボールから、マスクメロンくらいの大きさまで小さくなった。
すぐさま2段梯子をかけて捕獲に向かう。一度少年時代に、この柿木から落ちて、息ができず「アーッ、アーッ」と苦しんだこともあるが、この戦いに負けるわけにはいかず根性で捕獲する。
蜂は暗いところが避難場所なので、箱の下から入れてやればぞろぞろと箱に収まっていく。
相当ストレスをかけたので、出入り口にお詫びのハチミツをたらした。
お腹が減っていたのだろうかぞろぞろと出てきて食べつくした。
とりあえず、女王様の安否が気になるが、夜は巣箱の中に静かに収まっていた。
翌日未だ巣箱の中にいるらしく、安心して仕事に出かけた。
わくわくして仕事から帰り箱をたたいてみると、中にいればザーとで威嚇する羽音が聞こえてくる。
何度たたいても静かなものだった。留守中に逃亡したのだ。