連日暖かい日が続く。蜂仲間から様々な情報が飛び交う。今入ったとか、今逃げたとか、とにかく一喜一憂し、分蜂祭りとなっている。興味のない方にはアホみたいに見えるだろう。還暦過ぎたいいじいさんが、幼稚園児みたいに網をもってあちらこちらと走り回る。
わが蜂園でも3番館の蜂が2回目の分蜂をした。2日連続で、昨日は午後3時頃から一斉に巣箱から出てきた。あれよあれよという間に準備していた留まり木には止まらず、遠くの空へ逃げて行った。
今日は昼食に仕事から帰ったときに、あれよあれよが始まった。今度こそお願い準備した木に留まってくれー。
願いむなしく10m程の高い木に留まり蜂球を作った。
行先が決まっていれば、30分位で、蜂添乗員が下見していた目的の巣へ飛んでいく。
天気次第では2~3日固まっていることもあるが、分蜂したミツバチは、大体お腹いっぱいに蜜を蓄えていて普段より重い。最初木に摑まった蜂は何匹も下にぶら下がるので、しばらくすると腕がぷるぷるとなり、蜂の腕力次第では蜂球が壊れ、再度別の木に留まったりする。
とりあえず、昼めしを食べて再度見に行ったら、丁度巣が割れ移動の最中で、後をつけていくと、隣の家の柿木に留まった。2段梯子で丁度届く位置だった。
すかさず、百均のザルと虫よけ網で作った「bee捕獲スペシャル」で根こそぎ捕まえる。
捕獲がひと段落し、休んでいると、蜂の轟音が空から降ってきた。今度は、捕獲用に設置していた置き箱に、団体様で入居してきた。
前回の時はキンリョウヘンに蜂がしがみついて花がダメになった。今回はネットをかけていたため、花の痛みは少なく、入居も早かった。
この巣箱は自分から入居してきたので、しばらく逃げる心配はないが、さっき捕獲し、ぶら下げているもう1群は巣箱が気に入らないとすぐに逃亡してしまう。それに考えてみると、巣箱の在庫が無かった。夕方までに、蜂マンションを1棟作らなければならない。ゆっくりと考えている暇はないのだ。
前に、家を建設した時の床板の端材があったのでその材料を使い、早速制作に取り掛かる。
天井板を作る。最初に巣を固定する部分なので、もち網を加工し天井に張り付ける。作った巣箱は、木のニオイ飛ばしの為、バーナーで焼いて水洗いする。
巣箱はとりあえず3段作り、巣が夏の暑さで落ちないように、番線を入れる。採蜜の際は引き抜けば巣の収穫が楽になる。
今回の目玉は、巣門を工夫した事だ。ミツバチが約6ミリ位なので、ハチ1匹がギリギリ通過できる入り口を5個開ける。
女王様は普通の蜂の1,5倍くらいあるので、この穴の大きさでは外には出られず、軟禁状態になる。これで1日過ごしてもらい、逃亡をあきらめた所で、翌日巣門を開放する。あとはこの新築マンションが気に入るかどうかであるが?
夕方本体が完成し、例のごとく下から巣箱に登ってもらう。20分ほどで入居した。後は3日間逃亡しなければOKである。
3日前に捕獲した巣箱がようやく落ち着き、花粉を運び仕事をやりだした。
夕方には全員巣箱に収まり、しっかりと、左右に門番がいる。この蜂は普通の蜂より強く、門番に選ばれし者は敵の侵入者があると、死ぬまで戦い続ける。格闘技のエリートなのだ。