もう日が暮れたよ山頭館

気が付けば色々なものを作り自分で適当に満足してきた。これからも隙をみてはモノを作る。これはモノ好きの記録なのだ。

三島製作所の「唐箕」を買う

排水路土管の詰まり

梅雨に入り一度はしっかりと雨が降ったが、その後晴れ間が続き、ここ2~3日は真夏日の暑さに見舞われている。ワクチン騒動も少しは落ち着いて、予約が埋まらなくさえなっている。相田みつおの「うばい合えば足りぬわけ合えばあまる」を思い出す。

先日の雨で畑の横の排水路土管が詰まっている事が判明した。水が適正に流れず、側溝からオーバーフローして我が家と隣の畑に流れ込んできた。まだ梅雨が始まったばかりなので何とかせねばと区の組織に相談した。

以前はこのような事態が発生した場合、町に相談し、解決してもらう手はずになっていたのだが、今は国が「農地・水保全管理支払い交付金」という補助事業を作り出し、お金は出すから自分達で可能な限り解決するよう仕組まれている。今流行りのサステナブルである。

そんなわけで、地区の組織の「保全会」に相談し土管の中の詰まりを取り除いてもらうことにした。

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土管の全長は20m程あるが、詰まりが予想される入り口から3m位の場所をユンボで掘り返す。この辺りの爺さん達はユンボが大好きで、マイユンボが3台もある。男のおもちゃみたいなもので、こんな時腕の見せ所になる。

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掘り返した土管の中は、木の葉や竹の皮、泥砂等が詰まり、いっぱいだった。金目の物は何も無かった。

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ユンボで可能な限りゴミを取り出す。10m程先からカーブしているので先は分からないが、ゴミの撤去が終わったので水が流れるかテストする。

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消防団からポンプ積載車を借りてきて、水を強力な勢いで流した。皆消防団OBなので、放水はお手の物である。

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手前は流れているが、先に詰まりがあるようだ。大雨で流れるかもしれないのでとりあえず様子を見ることになった。皆還暦以上の者ばかりだが、日頃の経験で、2時間程で作業は終えた。

国もなるべく自力でやってくれと思っているだろうが、この事業を支えているこの年代の後継者は少ない。とにかく次の大雨でうまく流れることを祈ろう。

唐箕を買う

最近農家でも見なくなったが、穀物のゴミ等を取る「唐箕」を探していた。ヤフオクなどでは見かけるが、大型の古いものが多く、落札してもその何倍も輸送費が掛かってしまう。新品では形が小さくなり金属でできている。自分が探しているのはメイドイン熊本の三島製作所が作っていた「グリーン号」なのである。

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手動式の30年ほど前のものである。大きさと形が丁度良く、色使いがどう表現してよいか判らないが思い切った色合いである。

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ピンクのキャデラックに似た色のフレームにコールマングリーンと呼ばれる緑の車体色である。前方の吹き出し口は、迎撃ミサイルのパトリオットPAC3の発射口みたいである。

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後部はジャクソンカメレオンを彷彿させるような見事な背中を有している。とてもカワイイ。手に入れたのは、熊本の業界紙で、オークションコーナーにたまたま掲載されていた。落札後取りに行ったら、ナス農家の方でとても親切にして頂いた。結構遠方であったが何か縁があるのだろう。

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この唐箕は玄関に展示して眺めて喜ぶものでは無く、コーヒー豆に混入している細かなゴミを飛ばす一時処理に使うものである。麻袋に入った珈琲生豆には麻袋の細かなスレが混入していることがあり、ブロアーで飛ばしたりしているが、やはり1700年頃中国から伝わった唐箕が一番いいようだ。最近生産履歴がしっかりしているスペシャリティー珈琲も取り扱うようになったが、価格的にグッと上がるので、普通の良いランクの豆を丁寧にピッキングしたほうが、飲む側にしてみれば安く美味しいコーヒーが飲める気がする。

最初、唐箕は痛んだ部分をレストアし、ボディーカラーも焙煎器具にあった色で塗装しようと思ったのだが、オリジナルでなくなるのも寂しいので今迷っているとことである。