近所の人とストーブの話をしていたら、「我が家の山に間伐材が切捨ててあるけん要るなら持って行ってよかばい、ばってん持ち出しがね~」と近場にエネルギーの塊が放置されているモッタイナイ話なので、早速現場を見に行った。
檜が植えられた山林で、結構広い面積の中に、大小の間伐されたばかりの材木が散乱している。確かにこれを拾い集めて道路沿いまで持ち出すのは大変な労力である。
しばらく放置し、木材が乾燥して軽くなってから持ち出す手もあるが、草木が生い茂ったり、木材が腐れたりと、そのまま放置した材木は扱いにくく、せめてまとめて積み上げておけば時間をおいてもなんとかなる。
しかし、この状態で重い生木を鳶口を掛けて引き出していたら、膝、腰などに不具合が生じ、グルコサミンやセサミンではすまなさそうである。
何かいい方法は無いかと考えていたら、トラクターなら木と木の間を通れそうで、後ろに運搬車をつければ、道路端まで引き出せそうな感じである。
只、肝心の運搬車は持ってないし、中古でも結構な値段がする。
お~っと、それならば、運搬トレーラーを作るしかない。
そんな訳で、何か使えそうなものは無いか納屋を捜査していたら、5~60年位前と思われる、脱穀機等の移動に使った車輪が出てきた。
西南戦争に活躍したかと思わせるほど年期が入ってるが、これに枠をつければ、すぐに出来そうな気がした。友達からベッドの枠の提供申し入れがあったが、さすがに重い木材を積むのは無理だろうと思い、単管で枠を作る事にした。
ざっとした設計図ができた。これは一応のモノで、作成過程で実機はどんどん変わっていく。
ところが問題発生。車輪が回転中に何かに閊えて回らなくなる。仕方がないので、車輪のドラムをなんとか分解しグリスアップをする。原因はブレーキライニングの閊えだった。どうせ要らないのでブレーキを取っ払ったら、気持ちよく回るようになった。
ベアリングを掃除して新しいグリスを注入したら、完全に機能がよみがえった。
ディスカバリーチャンネルの名車復活みたいだ。
ところがまたもや問題発生。タイヤの空気圧が低いので、大目に空気を入れたら、バルブ口付近から、空気の漏れているような音がする。石鹸水をかけてみると、湯がく前の「ヒゲ蟹」のように、ぶくぶくと泡を吹いている。パンクしているのだ。
やっとの思いで中のチューブを引き出し修理をする。
このなつかしい「ゴムのり」緑の缶に地球儀のついたマルニ工業の製品だ。我々の小さいときには、一家に一個はあった。自転車のパンク修理用で、古いチューブと紙やすり、それにこのゴムのりさえあれば、パンクは一つも怖くはなかった。
やっと修復できたので、このアカハラのお腹みたいなホイールはレトロなベージュ色で塗装した。
次に車体制作にかかる。
単管は2種類そろえ、一番下のラダー部分は強度の高い2.4mm厚の管を使い、横枠は、軽くて値段も安い1.8mmを調達加工する。
ちょっと見た目恥ずかしいが、骨組みが完成した。積載量はせいぜい150kg位が限度だろう。この後、車体周りと、難関のトラクターとの連結部作成があるが、遊んでばかりいると嫁に叱られるので、今回はここまででいったん工作は保留となる。