ビッグモーターの闇
毎朝の日課である目覚まし用チャボの餌やりに行ったら、顔色の悪い蝉が巣箱にへばり付いていた。近くに穴ゼミの抜け殻があり、今羽化したばかりである。
そろそろ盆が近づくと、シャーシャー、ガシガシ、ワシワシとうるさく泣きだす。ただでさえ暑いのに蝉時雨を聞くと2~3度さらに暑く感じてしまう。この蝉もあと数時間すれば、濃い茶色の正しいアブラゼミが完成し、樹液を求めて飛び立って行く。
ここ数年で業績は何倍もアップし、知らず知らずCMソングを口ずさんでしまうビッグモーター。今、毎日のように職場のパワハラや保険請求の不正事件がニュースで取り上げられている。経営者側や保険会社など、しばらくは羽化した蝉のように顔が青ざめたままだろう。勤めていた頃、コンプライアンス順守の話はことあるごとに言われてきた。不祥事が世にでると、大きな会社でも簡単に経営危機となってしまうからだ。このようにお客さんと直接かかわりあっている会社ならなおさらの事で、信頼回復には相当時間がかかる。首をかしげたのは社長の記者会見で、受け答えからして、イメージはさらに地に落ちてしまった。しばらくは多方面に影響がでるだろう。
この問題が出る前に似たような会社で中古車を買った。もし、ここで買っていたなら、しばらくは騙されたような気がして面白くなかっただろう。まあ、それでも車には罪はないので、買ってしまえば車の過去の事など考えないようにしたほうが、その後楽しく乗れてしまう。
ホンダNーVANを買う
買い物の中でも「車」を買うとなると納品までの楽しみが長く続いて、車好きにはたまらない。自分用に軽のN-BOXが1台あるので、移動や買い物には困らないがもう1台便利に使える車をそのうち買いたいと思っていた。以前から次に買う車は決めていて、スズキジムニー、ルノーカングー、ホンダNーVANが候補であった。スバルのレヴォーグかアウトバックも一度乗りたかったが、利用が限られており、最終的に農作業やマルチに活躍出来る事と、車のオプションを自分で工夫できそうなことからN-VANを買うことにした。
車は使用状況に合わせ、穴をあけたり器具を付けたりカスタム化するので、年式のやや新しい中古車で十分である。只、軽のバンでも坂道で青筋立てて登っていくのは好きでなく、スイスイと走れるよう、馬力の高いターボエンジン車を探していた。中古車屋さんには、新古車が結構並べてあったが、ターボ車が中々見つからず、毎日ネットで探していた。1ヶ月程経って、やっと島根県で希望に沿った車が見つかった。輸送に7万程かかったが、寒い所から、暖かい熊本に来てくれた。
丁度車を買う前に、ホンダの試乗キャンペーンがあっていて、近くのデーラーで試乗をしてみた。ノンターボ車ではあったが、軽快に走りそこそこ使える感触を得た。売り出し中だから、少しは歓迎されるかと思いきや、貧乏な爺さんに見えたのだろうとても冷たい対応だった。帰る時にカタログもくれようとせず、名刺もくれなかった。むきになって「この車を包んでくれ」と言いたかったが、これでは本田宗一郎も嘆くだろう。
車が届いたので、便利に使えるように、なるべくあるもので、ルーフキャリア、助手席の板張り、荷室の棚づくり等暇を見て取り付ける事にした。
もともとNボックスの方に取り付けていたルーフキャリアだが、屋根の部分の取り付けが合わなかったので、金具を屋根の形状に合わせ、作って乗せ換えた。
長梯子や長い材木を積むときに便利がいいのだが、屋根までの高さが結構あるので、モノを積む時に苦労する。
助手席の上の棚幅が狭いので、取外し可能な大好物の木製棚を作った。
荷室の上にはこちらも取外し可能なマルチ棚を付け、サイドには道具掛けを配置した。
床を板張りしたので、小型耕運機や小さいリヤカーまで乗せられるようになった。何といっても刈払い機が余裕で乗るのはありがたい。
もう1台のNボックスに比べると静粛性や乗り心地など劣る部分は多々あるが、使い勝手や利用頻度からすれば十分楽しい車である。いざ地震があっても2人くらいなら余裕で寝れるし、今流行りのオートキャンプや魚釣りもいい。まだまだ工夫するところはいくらでもあり、オーディオの音を良くすため、スピーカーの交換や防音対策などしばらくは遊べる事だろう。
草取りロボットが欲しい
今年買おうかどうか迷っている家電でシロカの扇風機がある。扇風機の機能だけなら倉庫から持ってくればしまってあるのだが、この扇風機はポチ、タマ扇と言って扇風機に向かって「暑い」と言えば、犬のポチか猫のタマがスイッチを入れてくれる。おやすみと言えば、「いい夢見てね」と言ってタイマーに切り替わる。アマゾンのアレクサみたいに音声を認識できるのだ。エアコンがあるので特に必要とはしないが、このようなお利巧家電は大好きでそのうち買いたいと思っている。
今はいろんな分野でロボットが活躍するようになったが、農業分野では中々ロボット化が進まない。これだけセンサーが発達してきたので、作物と雑草、害虫の見分け方など簡単なものだと思う。夏の暑いときでも背中に扇風機の一つでも背負わせれば熱中症の心配なく働くだろう。誰か草取りロボット「草取マサオ」を開発して欲しいものだ。
昨年は甘藷の草取りを行ったので、結構根がよく入った。今年もこのくそ熱い中、何とかせねばと畑を見に行ったら、甘藷の根元を掘った後があった。シカみたいな足跡で、イモの根は未だ入って無いので荒らされてはいなかったが、緊急に対策をせねばならず、見張りロボットを置くことにした。一昨年活躍した「ハリマ王」がまだ使えそうだが、新しく700円で「魔胃食トラウト号」を導入した。
今一つ気合が入ってないが、シカ、イノシシ、カラスなどの害獣撃退に、11月頃まで頑張ってもらわなければならない。
草取り応援車(こらヨカbay)を作る
嫁に尻を叩かれ、甘藷の中の草取りに行ったのだが、すぐに腰が痛くなりこの暑さの中での作業は2時間が限度である。今時畑に這いつくばって草を取るのは我が家くらいだろう。除草剤をまけば楽に終わるのだが、近くを通る農家さんからは「昭和か?」と突っこみがきそうである。それでも嫁は小さな鎌をガザミのように振りかざし前に進んでいく。楽をしたい僕は、楽に草取りができる「草取り応援車」を作る事にした。
まず、暑さと腰が痛くなる対策をすれば作業的には花歌の一つも口ずさみながら辛い草取り作業が苦にならなくなる。
我が家にあまり使っていない、4輪の台車があったので、これに手を加え、利用する事にした。真ん中にパラソルを差し込む水道の塩ビ管を取り付け、自由に取り外しが可能とした。荷台には厚手の板で蓋をして、クッションの座布団を敷く。使い方は、真ん中に腰かけて、草を取りながら両足で進む人力駆動となっている。
現場で早速使ってみたのだが、問題がいくつも発生した。太陽の位置次第では日蔭にならず、風がやや強いとパラソルが飛んで行ってしまう。座っての草取りは、さらに腰が痛くなり、作業が中々はかどらない。遠くから見るとアイスクリーム屋さんに間違えられてしまう。いわゆるほとんどためにならないのだ。
仕方が無いので、少しばかり目線を変え「こらヨカbay]弐号機にマイナーチェンジをすることにした。
まず、荷台は抜いた草を乗せる場所とし、正面にはソニーのBluetoothスピーカーを設置し、ウォークマンで好きな音楽が良い音で聴けるようにした。パラソルは風に弱いので、マキタの充電式扇風機を仕入れてパイプにひっかけ前面から高原の風を送る。荷台の後ろに背の低いコロコロ作業車を置いてそれに座りながら草を取り前に進んで行く。これで草取りが待ち遠しくなり、辛い作業もアッと言う間に終わるだろう。
あれこれ考えているうちに、嫁の鎌の手がうなりを上げ、甘藷の中の草取りがいつの間にか終わってしまった。草に隠れていた生姜の中も草取りが終了し「草取り応援車」の出番がなくなってしまった。さらに這いつくばって取った方が随分効率が良い事も解った。折角考えた「こらヨカbay弐号機」もこの先お蔵入りになりそうである。