もう日が暮れたよ山頭館

気が付けば色々なものを作り自分で適当に満足してきた。これからも隙をみてはモノを作る。これはモノ好きの記録なのだ。

スピーカー修理で泥沼にはまる

秋が深まり肌寒くなると、人恋しくなったり、遅くまで本を読んだり、静かな音楽を聴きたくなる。最近ネットで情報を見たりすることが多いので、本を読む機会が少なくなった。それでもアニメの世界は盛況で「鬼滅の刃」が社会現象になる程話題になっている。そんなに面白いなら一度読んでみたいと思い近くのアパートに住む、中学生の孫に単行本を借りてきた。

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本のストーリーは、主人公の妹に鬼の血が入り、鬼になってしまうところから始まる。鬼は人の肉を食ってい生き長らえるので、妹が本当の鬼にならないように一緒に行動し、人間に戻すことを模索しながら鬼退治をする話である。昔話に出てくる鬼は、赤か青の2種類で、いつもパンツ一丁で出てくる。この本に出てくる鬼は姿形も様々で、それぞれ特殊能力もある。鬼を切る刃で、鬼と戦う場面の連続で、3巻を読んだところで疲れてしまった。多くの読者が、家族愛や友達愛に感動している様だが、戦いも気持ちが悪くジイさんにはついていけない。これが若いモンとの感覚の差なのだろうか?とりあえず、妹が人間に戻る美味しいところだけ読んで、そっと本は返すことにしよう。

長年愛用しているスピーカーの片方が、風邪を引いたような音になった。耳を近づけ聞いてみると、高音用のスピーカーから音が出ていない。音マニアにとっては我慢ならない状況である。早速背中を開いて原因を見る事にした。

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スピーカーは昔から大好物で、他にも何セットか家にある。中でも、この小型冷蔵庫みたいに大きいスピーカーが一番いい音がするのだ。しかし相当古いもので、アンプですら、NECのA10という30年位前のモノである。

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裏板の刻板を見ると、どうやら昭和49年型らしい。46年も生きておられる。三菱製で、NHKとの共同開発で作られたものだ。2S-305の型番で、主に放送局で多く使われていた。その後DIATONEブランドで多くの商品が作られたが、オーディオのブームが終わり多くの音響ブランドもなくなってしまった。

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高音用のスピーカーを取外し、テスターで導通を測ると断線していた。さすがに、交換するしかないが、あまりにも古いため、メーカーに部品の在庫を聞いたところで「ハアなんば言いよっと」と相手にされないので、ネットで同じものを探してみた。たまに出品されるが、中古ででているもので3万円前後で売買されている。それも当たりはずれがあるらしい。同じような特性をもった商品で代用しようかとも思ったが、なかなか同等品が無い。結局思いついたのが、修理をすることである。

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スピーカーの構造は簡単で、大きな永久磁石とコイルの組み合わせで、それをコーン紙を通して音に変えている。コイルの断線だから場所を探してつなげばいいのだ。しかし、あまりにもコイルが細く、老眼の眼では、メガネを3個かけても判別できない。そこで修理の為の実体双眼鏡を手に入れることにした。どうせ1回しか使わないので、安い物でよかろうと、オークションで手に入れた。

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落札額5000円で、学研の20倍/40倍の実体顕微鏡だ。見た目は悪くなかったが、性能が悪かった。レンズがひどいカビでほとんど使い物にならない。泣きそうになったが、めげずに本体を分解し、ひたすらレンズを磨いた。右側は復活したが、左側は治らず、短眼鏡になってしまった。修理の際、丹下作善のように片目を瞑らなければならず、距離感がつかめない。オークションの恐ろしさを垣間見たが、それでも実体顕微鏡が無ければ先に進まないので、今度は完動品のニコンファーブルをオークションで手に入れた。

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もともと野外での昆虫観察を得意とする機種であるが、さすがにこれはよく見える。手のひらの指紋の中のゴミまでしっかりと見えてしまう。20倍の倍率だが、ピンセットがスコップの大きさで見えてしまう。

結局コイルからのリード線が切れていたが、髪の毛より細くて、ハンダを当てると溶けてしまいそうになる。ここまで苦労したが、どうも復活の予感がしなくなった。仕方がないので一旦修理を中止し、よっぽど暇なときにハンダ付けを試みる事にした。スピーカーは治るまで代用品を使う事にした。

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このスピーカーの子分で同じモニターの2S-208用のスピーカーで代用した。特性が違うので、8分目位しか代用できてないが、YouTubeジェットストリームでも流して三国志でも読むことにしよう。

 

 

長く生きてりゃいい事もあるぞー

食欲の秋、食べ物がおいしくて、何かと食べすぎになる。我が家の猫の「弥太郎」も顔が合えば食べ物を欲しがりニャーニャーとうるさい。

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餌をやればやるだけ食べてしまう。食べすぎた暁には、そこらへんに、もどしている。食べなきゃいいのにと思うのだが、今や癒し猫がいやしい猫になり下がった。猫社会には猫種差別は無いと思うが、身分の差は激しい。飼い猫は一生楽に暮らせて、病気でもしようものなら、お抱え運転手付きで、獣医さんに見てもらえる。事、ノラに至っては、自分の唾液で舐めて治すか、物陰に隠れ、直るのをじっと我慢しなければならない。商売でもできるのなら、小判でも売ってお金を稼ぎ、裕福な暮らしも夢ではないのだろうが、やさしい猫好きに拾われない限り、隣の家の、猫の餌を黙って頂くしかないのである。

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我が家のアホ猫は、食べて吐きまくる無駄な食生活で、階段を利用して腹ごなしと猫背を矯正している。いい気なもんである。

猫はさておき、自分はいつも血圧高めで、早くから降圧剤を飲んでいる。それでもやや高めで、何とか食べもので血圧を下げようといろいろ試してみた。結局一番効果があったのが、生姜と酢、ハチミツのブレンドである。

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作り方は簡単で、材料はすぐに手に入る。生姜100g、黒酢100mg、ハチミツ20gを混ぜるだけでできてしまう。今回黒酢が足りず、ミツカン酢をブレンドした。先月収穫した日本ミツバチのハチミツはふんだんに入れる。生姜は近くの無農薬農家さんから立派なものをいつも頂くのだが、今回はスーパーで買ってきた。

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料理はできなくても、これ位は作れる。これが完成品である。ほとんど毎朝スプーンで山盛り一杯頂く。まだ血圧で倒れたくないので、とてもありがたい。

敬老の日を前に、役場から電話があった。99歳になる母に、町からお祝いがあるそうだ。数えの100歳を祝い、町長自らお祝いに来るらしい。それはご丁寧な事でと思っていたら、10月も後半に入り、敬老の日はとっくに過ぎているが、役場の職員を従え町長がやってきた。

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大きな賞状を抱え、今ではレアになった「総理大臣安部晋三」の名前入りを代読した。母は大正生まれで、昭和、平成、令和と生き抜いている。今年から始めて介護保険を利用していて、背骨圧迫骨折後、要介護3の認定だったが、先日役場からの再調査で介護2くらいに下がりそうと言われた。前より元気になっているのだ。

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今まで農家の嫁として働くばかりで、賞状なんかもらったこともないが、銀杯とお祝い5万円まで頂いた。長生きすればたまにはいい事もあるようだ。

 

 

孫に「すべり台」を作る

稲刈りも終盤となり黄金色に輝く稲穂も大型コンバインに次々と倒されていく。社会生活や食生活の変化からか、年々米の需要は減っているとの事だ。それでも、美味しいお米ご飯に丸美屋の「お城納豆」さえあれば、毎日でも飽きることは無い。

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農家も高齢化が進み、米作りは、小集団の生産組合を作り合同での作業方式が多くなった。大型機械により、作業効率が上がり、政府の補助金も有効活用できるからだ。我が家には田んぼが無いため、毎年今の時期になると農家の自主販売米を買いに行く。産地は山鹿市の北の方で、ここ何年か米の食味ランクでは、特Aの評価である。もう15~6年通っているが、美味しい米を求めてというより、生産者の方に会うのが楽しみで訪ねている。仕事で知り合った農家の方で、80歳を過ぎたご夫婦で農家経営をされている。

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品種は「森のくまさん」で、「ヒノヒカリ」と「コシヒカリ」をかけ合わせたお米だと思う。高齢にもかかわらず、個人での一貫生産をされている。量は少ないのだが、納屋には乾燥機や籾摺り機まで備わっている。帰り道に一袋精米し、お家で新米を頂くことが、ここ数年のありがたい楽しみとなっている。

毎週1回位のペースで孫が遊びに来る。1歳4か月になるが、意思疎通も随分できるようになった。自分の子供と違い、孫には好かれたいので、わがままも「ご無理ごもっとも」でほとんど言いなりになってしまう。

家の中に小さい滑り台はあるが、喜こんでもらおうと、外でコンパネを滑らせたら覚えたての言葉で「もう1回」のリクエストを何度もさせられた。

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そんなわけで、自分で遊べる「すべり台」を作る事にした。

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すべる部分は、サイドの板材と下のコンパネで簡単に出来てしまう。あとは、台を受ける中心部分とそこへ上る階段を作れば完成だ。

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いい塩梅に、以前作ったパソコン台と小さな本棚があったので、これを流用することにした。

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家具ではないが、登り階段、見晴台、滑り台の3点セットができた。別々に持ち運びができるので、どこでも設置が可能なのだ。てすりはその辺に落ちていた木の枝を使い、アウトドア感をかもし出している。

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野外塗料で塗装し、3点セットを組み立てる。公園にある「すべり台」には高さも長さも及ばないが、これならばいつでも何度でも滑る事ができる。

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さっそく使って頂いたが、ヤスリ掛けの甘さを指摘された。この子は新しいものが大好きで、しばらくは点検作業が入る。

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すべり度合いが今一つだったが、何度も登り降りを繰り返した。すべり台の事を「シュー」と名付けられ、遊び道具の一つとして気に入ってもらえた。しばらくは使ってもらえそうだ。

マキタの草刈り機が力尽きる

娘婿さんが災害支援に行ってきた。もうかれこれ7回くらいは行ってるみたいだ。それでも坂本村は木の枝や災害ゴミの撤去がまるで進んでないという。寒くなる前に何とかなればいいと思うが、、、。

台風や防犯対策として、面格子の工事を姉から頼まれていた。カタログを見た感じでは大した工事レベルではないようだ。

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まず、窓枠の両サイドにしっかりとした柱が入っているか確認できればもう付いたようなものだ。普通サッシの枠を固定するので、逆に入ってないほうがおかしい。

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下穴をドリルで開けて、上部をアルミネジで固定する。ここだけを慎重に行い、下のほうはぶら下げた後取り付ければいい。というのも、このネジはやり直しがきかない。泥棒さんが外さないように、ネジを外すように回すとネジ山が崩れてネジが回らなくなる。こんなネジを考えるのは日本人だろう。1回限りの締め付け専用ネジなのだ。

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3カ所の面格子も簡単に工事できた。業者見積の半分以下で終わったので、姉は喜び庭を駆け回った。

嫁が使っているマキタの刈払い機が、起きなくなった。何度ヒモを引いてもブルッともいわない。エンジンがかからないときは、蹴とばしたくなってしまう。とりあえず自分が使ってるホンダを貸して修理することにした。

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燃料ホースは交換したが、どうもプラグから火花が出ていない。

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オイルも漏れているみたいだから、この際身ぐるみを剥ぐ事にした「あれーお殿様~助けてけれー」と叫んでいたが、ついでに頭の中まで見ることにした。

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この後掃除して、プラグを交換したがやはり火花が出ていない。最終的に刈払い機の虎の穴、友人のY君にお願いしたが、コイル不良の診断だった。部品を交換する手もあったが、5m程蹴とばして嫁専用のホンダを新たに買うことにした。

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これで4台目のホンダである。すべて4サイクルなので、ガソリンで事足りる。最近は携行缶でガソリンを買う場合簡単には売ってくれない。京都アニメの事件後販売が厳しくなり、住所・電話番号・免許証の提示まで必要になる。給油も店員が入れる。慣らし運転が終わり、早速区役に向けて燃料補給をする。区役は道路端の草を刈るため、石に強い刃先に交換する。

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この刃は石に対して最強の強さがあり、ガンガンやってもチップが飛びにくい。👹の爪と呼ばれるチップソー研磨機で刃先の切れは簡単によみがえる。

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年2回の共同作業に多くの区民が集まる。作業は午前中でおわるが、この時の世間話や、情報交換が地域のコミュニティー作りに大きく貢献している。

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地区内の道路は阿蘇へ抜ける裏道となっていて、今のシーズンは沢山の車が通行する。しかし、新たに地震後に阿蘇へ抜ける北側ルートが10月4日開通したため通行量が激減した。同日に国道57号阿蘇ルートも開通したので、大変便利になった。それにしても当初計画の工期より半年も早く完成した。さすが日本だ。他の国では考えられない。

電気調理器の為の大型トレーを作る

久しぶりに夕方の時間から草刈りに行った。日が暮れるのが早くなったので、あまり遅くまで作業する事はできない。何とか6時近くで作業は終了した。

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丁度、玉名方面に太陽が沈みかけ、きれいな夕焼けが見えた。こんな時、ケニーGのサックスでも流れてくれれば最高のシチュエーションなのだが、役場の防災無線の音楽が流れてきた。お約束の「夕焼け小焼け」である。カラスは飛んでいなかったが「カラスと一緒にかえりませう」と歌いながら帰った。

先日のミスターサンデーでドキュメンタリー映画の「ぼけますからよろしくお願いします」のその後が放映されていた。ご主人が奥さんを介護された実話なのだが、ご主人は95歳で初めてリンゴの皮を剥いたという。

大方、古い男は必要に迫られないと、料理をしようとしない。自分も何度か夕食をこしらえた事があるが、自分は料理に向いてないと思った。料理の基礎が無く、経験が少ないからとにかく大変なのである。歳とって嫁が強くなる一つの要因は、料理をテキパキと作る事ができるからだ。「そんならやってみなはれ」と言われるのが怖いから料理に関しては口出しはしないようにしている。物を作る時、頭の中で想像しながら、部材を見れば、おおよそ完成品が浮かんでくるし、8割位はできたようなものだ。料理ができる人もそうだろう。いくつかの食材をみれば、ほぼ完成品が出来上がっているだろう。とにかくリンゴやミカンの皮くらいは今でも上手に剥くことができるが、放送を見て早いうちにいくつか料理をマスターしなければと思うようになった。そこで思いついたのが、電気調理鍋である。食材を鍋に放り込んでスイッチを入れるだけでプロが作る料理ができ上るという夢のような調理器具である。早速品定めをすると、最近発売のアイリスオーヤマの4ℓ電気圧力鍋が性能も容量も価格も大変ヨロシイのだ。

しかし我が家の狭い家では、置き場所に問題がある。すでに台所は、電子レンジ、炊飯器、オーブントースター、トースター、電気ポット等が陣取っており、新参者の入り込む余地は見当たらない。ミキサーだって棚の中に隠れている。キッチン周りを見渡しやっと置けそうなところが薪ストーブの上であった。しかし寒くなり薪を燃やしたら鍋まで燃えてしまうので、どうしたものかと思ったが、大型トレーをストーブの上にのせ必要に応じ取外しすれば、使用頻度を考えると利用できそうである。そんなわけでとりあえず大型のトレーを作る事にした。

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板材はミツバチの巣箱作成目的で保管していたものがあったので、他の部材を近くのHSでそろえた。

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1枚板で、厚みもあるので、強度は十分である。周りにモノが落ちないようパイプで柵をすることにした。

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何時も重宝しているマキタのサンダーで板の表面を磨く。このサンダーはとても優れもので、ザラついた物や、古くなった板材、少々ハゲ散らかしたおっさんの頭もピカピカにしてくれる。

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パイプをジョイントに合わせ切りそろえる。ストーブの上だからインダストリアルに仕上げなければならない。

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大体形はできたので、板の表面とパイプの塗装をする。

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下に色合わせの為黒系の下塗りをする。乾いた後、水性ニスを3回塗った。最近水性塗料をよく使う。仕上がりは油性のほうが良いと思うが、刷毛洗いが面倒で、水性であれば、すぐに水で流せるし、重ね塗りも苦にならない。

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乾く間、時間があるので、余った板材と金具でトレーのオマケを作った。

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取手の部分はBSアンテナ固定用の金具である。

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完成したので、上にのせてみる。幅1mあるので、調理器具は十分乗せられる。見張り役として、猫の弥太郎も乗る事ができる。普段は娘たちが遊びに来た時、荷物置きに使える。とにかく帰る時に忘れ物が多いから、ここに置いておけば大丈夫である。後はコンセント工事を行えば、夢の電気調理鍋を買うことができる。それまで、料理熱が冷めないよう作るメニューを考えとかねばならぬ。

ハチの恩返しでございます

連休に入り、久しぶりに前の道路が渋滞した。これ以上怖がっては日本経済が立ち行かなくなるから、できれば用心しながらも行楽地にもいっぱいお金を落として頂戴と、政府も特典付きで奨励している。月末のコロナ感染がどうなるか判らないが、拡大していないことを祈っている。

BSの番組で、岐阜県串原の奇祭「へぼの巣祭り」が放送された。初めて聞く祭りだが、いい歳のオッサンや爺さんが、ヘボ(クロスズメバチ)を山で捕獲し、我が家で大事に育て、年1回のへぼ祭り(ヘボの巣コンテスト)に出品し巣の大きさを競う。「なんて祭りだ!」

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昨年のヘボ祭りHPより

残念ながら、今年は中止になったそうだが、日本一危険な祭りで、毎年参加者の200名位がハチに刺されるそうである。「ハチアレルギーの人は近づかないように」と注意書きがあり、本部には救護班も控えている。確かに会場には沢山のクロスズメバチが飛んでいる。

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ヘボ祭りHPより

審査が終わると販売されるらしいが、大賑わいである。こんなもの買ってハチを食べるのだろうか?近場であれば是非行ってみたいが、飼い主にとっては他人には判らない、たまらない魅力があるのだろう。

同じハチでも、こちらはしばらく飼うと恩返しが期待できる日本ミツバチである。最近激減しているが、我が家の日本ミツバチも逃亡や消滅を乗り越え、やっと一群残っている。

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4段の箱の中はすべてミツバチの巣で、その下のブロックまで達している。三段くらいはとっても大丈夫だが、冬場食料が枯渇しないように、二段だけ家賃を頂くことにした。

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3蜜は用心しなければならないが、切り取った箱にはびっしりとハチ蜜がたまっている。箱の中には数匹のミツバチ食料班が死守しているので、ブロアーで吹き飛ばす。ミツバチは殆ど刺すことはないが、顔や手に刺された場合おすもうさんみたいに腫れるし、2日目には痒みが襲ってくる。ムヒを塗ってもほとんど効果が無い。

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結構重さがあり、蜜の色も濃ゆいので、糖度は十分に高いだろう。

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今まで圧搾機で丸ごと巣をつぶし、搾り出していたが、今年は不純物を少しでも抑えるため「垂れ蜜」作戦で行くことにした。

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巣の蓋を取り除き、真ん中から切り離し、なるべく蜜が落ちやすいように、並べ、厚手の漬物用袋の中に入れ、暖かい部屋に置いた。

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2日程で、下の容器に溜まったので、養蜂用の2重濾し器で不純物を取り除いた。

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垂れ蜜方式では、70%程度しか蜜を回収できないが、結構上質な蜜が貯まってくれた。糖度も80%はいくだろう。この後、油こしフィルターでポタポタと蜜を濾しながら瓶に詰める。毎年今の時期に、完成品を親戚や知人に配っている。今年も冬眠前のヒグマみたいに腹を空かせて待っていると思うので、期待に沿えなければならない。

ワクチンを接種する

たまたま見た「グッとラック」というテレビ放送で、心理学者?「アドラー」の本を思い出した。その中に「人生は複雑ではなく、シンプルなものだ。要は、するかしないかである」たしかこのような内容があったと思う。会社勤めの時、アドラーの本は結構ためになった。

放送内容は、機内でのマスク着用要請を拒否し最終的に近くの飛行場に降ろされた者のインタビューだった。30過ぎの男性だったが、いろいろ理由を付けマスクをつけてくれない。離陸ができない状況なので、航空会社側が100歩譲りマスクを付けなくてもいいから席を移動してくれとお願いした。ところがそれも拒否した。仕方なく、1000歩譲って他の乗客が蜜を避けるため席を移動し、飛行機は45分遅れで離陸した。ここで1件落着するところだが、あろうことか乗務員に謝罪しろと言い出した。自分であれば、キレイなCAさんにマスク装着のお願いをされれば、前後ろ2枚でも装着するし、席移動を言われたら、手荷物置き場でも飛行機の羽根の上でさえ移動する。とにかく自分の主張だけの男で、しまいには大きな声で騒ぎ出したため、近くの空港に緊急着陸し機外に降ろされた。警察に連れていかれるとき、周りのみんなは拍手をしたそうだが、本人はどういう気持ちか手を振ってバイバイしていた。詳細はよくわからないが、ほんの少しだけ我慢するか、大人の対応をすれば済むことである。見ていて気分がわるくなった。しかし、ワイドショーはこれを面白くとり上げる。本人はしてやったりと思ってるかもしれないが、すごい賠償金がやってくるだろう。以前旅行関係の仕事をしたことがあるが、旅客運送約款のなかでは、この男の行為からすれば、背中を蹴っておとせる位航空会社が優位である。よい子が真似しないように、必ず痛い目に合わせるだろう。いやなものを見たと思っていたら、この後2件程マスク拒否で飛行機から降ろされている。ただでさえコロナで苦しんでいるこの時、この者達は複雑に物事を考え、人を困らせているようだ。ますます気分が悪くなった。しばらく「グッとラック」は見ないようにしよう。

 年に2度のワクチン接種の時期がやってきた。人に使うコロナワクチンは未だ完成していないが、こちらは「肥後チャボ」に使う混合ワクチンである。

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春先に生まれたピヨもすっかり大きくなり、大冠白チャボが5羽と達磨(黒)チャボが4羽生息している。今は孵卵器で孵化させるので比較的おとなしくすぐに捕まるが、我が家では親鳥が争って卵を温めるため、自然ふ化で育ったものだ。おかげで簡単には捕まらず、小屋いっぱいに逃げ回るので、ゴミだらけになる。外に逃そうものなら、網を抱えしばらく追いかけ回さなければならない。ニワトリといっても侮れず、10m位の高さまで舞い上がる。

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コンテナ3個に入れて車に積む。ちゃんと9羽居るか、ネコの弥太郎に確認してもらう。騒いでいたチャボが嘘のように静かになる。

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ニューカッスル病と鶏痘ワクチン、外部寄生虫の駆除も行う。新しく生まれた若鳥には羽根にアルミの標識が付けられる。

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今回は、農業高校の先生と生徒も参加した。今どきの若い娘は「きゃーこわーい」などといい鳥系は嫌がるが、この女子高校生は「カワイイ」と言ってとても頼もしい。誰かが「チャボあげるからもっていきなっせ」と言っていたが、女子高生がもらってもしょうが無いだろう。

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ここでは、自慢のチャボをお披露目する機会でもある。審査員も来ているので、よさそうな鳥は動物園で行われる「肥後チャボ品評会」に出品される。

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良い鳥の見分け方や、管理方法等その道のお偉いさんがいろいろと教えてくれる。我が家の鳥に比べ、皆キレイである。話を聞くと烏帽子を掃除したり、マッサージまでしているそうだ。それに比べ、野生化した我が家の鳥は汚れまくり、声もうるさく、ツメも伸び放題だ。おかげで品評会への出品はなかなか案内されない。自分は絶滅防止のために飼育していると、いつも自分に言い聞かせている。これで、来年の春まで、ニワトリさんは安心だ。

寒くなる前に、人に打てるコロナワクチンが早く完成することを祈るばかりである。