どこもここも桜が満開になった。2011年の東日本大震災の年、衝撃のあまり忘れちゃならぬと庭先に植えたソメイヨシノもまばらではあるが、昨年より多く咲いている。
熊本地震で大きな被害にあった阿蘇山のふもとの「長野地区」に仕事で行った。山が雪崩のように地滑りを起こし風景が一変したところの近くで車が入るか心配した。
この下ではペンションが何件も被害にあった。
この山の裏側の狭い道をくねくねと走りようやく着いたところには立派な丸太積のログハウスがあった。大きなゴールデンの犬と住んでおられて自分で作ったとの事だった。
ログハウスの本を20冊程読みあさり、原木の皮むきから完成までに5年かかり、途中2回足の骨を折って入院し、作業小屋に詰めながら作り上げたとの事。
周りのうっそうとした常緑樹も広葉樹に植え替えなおし、冬場の落葉が周りの景色を一変させるのが楽しいそうだ。モーリスとKヤイリののギター、書きかけの水彩画など、人生の楽園に登場しそうな人がこのへんにもいるのだと感心した。
隠れ家みたいなところなので、写真は写さなかったが、今回の地震でも大きな被害はなかったようだ。
帰り道に葉祥明美術館を眺めて帰った。
これは我が家に飾ってあるもので、ハイランドスケープという作品だ。1年くらい前にこの美術館で買ったもので直筆の本物には手が出なかった。
美術館の前は野焼きの後で、草木は燃えてしまっているが、5月になれば萩の花に、この場所の売りである「ブルービー」が運が良ければ寄ってくる。一度見たことがあるが、青い色したみつばちで、幸せを運んでくるらしい。できればお金も運んでくれればありがたいのだが、ブルービー自体はカッコウのように自分の卵を他のミツバチに托卵するという働き者ではないのだ。
程よく咲いた桜を眺め下に降りていくと「阿蘇ファームランド」がある。
地震後しばらく営業休止だったので、3年ぶりくらいによってみた。
眠りかけたカピバラが出迎え、やる気のないワラビーまで、勘弁してよーといった感じで、動物園化されていた。
園は子供とお年寄りの健康ランド化され、阿蘇の大自然を満喫するコンセプトはどこに行ったのであろう。
昔は芝生の広場で野外コンサートなどもやっていたが、なにかしら収まりが悪いように思う。
ただ、ナメック星にありそうなピッコロハウスは震源地近くにも関わらず、被害は少なかったそうだ。